Frog and Toadとは
アメリカの絵本作家であるアーノルド・ローベルさんが1970年代に書いたシリーズものの子供向け絵本です。評価が高く、カルデコット賞やニューベリー賞など数多の賞を受賞しています。日本でも小学校の国語の教科書に載っており有名です。滑稽なやり取りや優しい絵の印象に癒された方も多いのではないでしょうか。
私は子供への読み聞かせ用に日本語版を一冊持っていたのですが、英語版がオリジナルだということに最近気づきました。ヨーロッパのどこかで書かれたのかな、という印象でロクに調べたことが無かったので、これがアメリカで書かれた絵本だということもつい最近まで知りませんでした。見直してみると、英語で子供に読み聞かせるのも教育的で良いかなと思いましたし、加えて、今まで英語の絵本など読むことが無かったので、英語の勉強という意味で自分のためにもなるなと思い、読んでみることにしました。
興味深くタメになる英語表現
このシリーズはどの本も1冊5章程度の構成で成り立っています。英語表現について、1章読むだけでも色々な驚きや発見がありましたので、その内のほんの一部をご紹介します。
“S pushes a coat down over someone’s head.”
“Frog and Toad All Year(がまくんとかえるくん、ふたりはいつも)”は四季折々を描いていますが、その中の冬の章で出会った表現です。がまくんの着替えをかえるくんが手伝っています。コートでもセーターでも、上から着るものであれば使えますね。例えばスピーキングの試験だと、動詞”wear”を使えば簡潔に言い換えられるので、上記の表現を使えてもあまり大きな利点は無いと思いますが、自然な英語を聞き話すという目標においては、こうした中々思いつかないネイティブ調のフレーズに沢山触れていきたいものです。
“S steers a sled.”
同じく「ふたりはいつも」の冬の章の一節です。動詞”steer”といえば、steer a wheelで「車などのハンドルを操作する」という表現が思い浮かびますが、上記のフレーズには遭遇することが今まであまり無かったような気がして、眼からウロコでした。そりすべりであれば、ただ単にride a sledということが多いかなと思いますが、斜面がデコボコしていて結構大変だったんだよとか、小さい子とかが慣れないけど頑張ってそりに乗ってるなあという時に、ふと口に出せると良いなと考えています。
HarperCollins “I Can Read!™” 指定図書
少し話が逸れますが、アメリカの出版社HarperCollinsの一部の児童向け図書には“I Can Read!™”という、いわゆる「Leveled Readers(レベル別図書)」として登録されているものがあります。これは、児童が自身のリーディングのレベルに応じて図書を選び、国語を学ぶ目的で作られています。“I Can Read! ™”はレベル1-4に分かれている中で、今回ご紹介した” Frog and Toad” はレベル2に登録されています。
こうしたLeveled Readersは、英語圏の国の児童が国語を学ぶために役立ちますが、非英語圏で英語を学びたい我々にとっては、自然な言い回しや表現に触れるための貴重な資料でもあります。
意外と英語の絵本も面白いっクマねぇ。また時間があるときに手に取ろうかなっクマ。
おわりに
英語版「がまくんとかえるくん」のほんの一部を紹介しました。大人でも、読んでみると新たな発見があり、有意義と感じられます。このような英語の絵本は、書店で売っていたり、図書館の蔵書として借りられるものも散見されますので、ぜひ手に取ってみてはいかがでしょうか。当記事をお読みいただくことで、皆様のEnglish Lifeがより充実したものとなれば幸いです。